イトーヨーカドーが低迷し、セブンイレブンが成長を続ける理由
こんばんは、Taikiです。
イトーヨーカドーが経営に苦しみ、セブンイレブンが成長を続ける状況は周知の事実ですが、なぜ同じセブン&アイ・ホールディングス傘下の両者にこうも差がついたのでしょうか。
今回は両者の経営の違いにフォーカスし、その背景にどういうビジネスモデルがあり、どう勝敗を分けたかを考えていきます。
あくまで個人の見解ですので、ご承知おきの上、お読みください。
目次はこちらです。
1. イトーヨーカドーが苦戦する理由
イトーヨーカドーと聞いて思い浮かべる商品は何でしょう?衣類や食品、生活用品など色々とあると思います。
では何が主力商品でしょうか?わざわざイトーヨーカドーで購入したいと思う商品はありますか?
例えば、GUやユニクロなら何を思い浮かべますか?衣類ですよね。ネット通販ならZOZOTOWNでしょう。
食品はどこで購入にしますか?安ければSEIYU、マックスバリュー、少し高めならサミット、高級スーパーなら成城石井を思い浮かべますね。
生活用品はどうでしょう。先ほどのスーパーもそうですが、100円ショップのダイソーや最近はドラッグストアの品揃えもいいですよね。
つまり、イトーヨーカドーの競争優位性が見えてこないのです。ここでいう競争優位性とは、他社がまねしにくい商品やサービスということですが、どの分野においても、他社に参入を許しています。
私が知らないだけで、もしかしたら、競争優位性はあるのかもしれません。しかし、こちらにある記事を見る限り、その売上は決して良くないでしょう。
2. セブンイレブンの成長戦略
では、セブンイレブンの成長戦略は何でしょうか。そして競争優位をしっかりと確保できているのでしょうか。
セブンイレブンをはじめとするコンビニ業界の成長戦略は、ドミナント戦略です。
ドミナント戦略とは、市場を占有したいエリアを絞り、特定のエリアに複数店舗を高密度に展開することです。それによって、以下のメリット享受できます。
- 地域での認知度が高まる
- 配送効率が上がる
- 地域に合わせた広告宣伝ができる
- スーパーバイザーが巡回しやすい
特定のエリアに店舗を集中することで、これだけの効果が生まれます。
逆にデメリットはこちらになります。
- 災害時のダメージが大きくなる
- 店舗同士で顧客を奪い合う(カニバリ)
- 地域の事情が変わると売上に影響する
地域の事情とは、例えば、バイパスができるなどして道路事情が変わり、店舗に面した道路の交通量が減ることです。
3. セブンイレブンの競争優位性
ドミナント戦略のデメリットを補完するため、セブンイレブンは、不採算店舗を容赦なく撤退させています。例えば、店同士でカニバルしたり道路事情が変わったりして、不採算に陥った店舗は撤退させます。そして、エリアマーケティングを駆使し新規出店を行います。
このスクラップ&ビルドを上手く行うことがセブンイレブンをはじめとする、コンビニ業界の競争優位性となっています。
過去の決算報告で、セブンイレブンの国内コンビニ店舗は700店純増とありました。これは仮説ですが、その内訳は、例えば200店舗が撤退、900店舗が新店舗かもしれません。
4. セブン&アイ・ホールディングスの業績
こちらの記事を見てお分かりの通り、コンビニ店舗数は全体で5万店舗を越えています。セブンイレブンは、約2万店舗を展開し、これまで赤字経営を経験したことがありません。
2018年度の四季報情報に基づいて、セブン&アイ・ホールディングスの連結事業を見ていきましょう。
- 国内コンビニ15(26)
- 海外コンビニ33(4)
- スーパー31(1)
- 百貨店11(1)
- 金融3(24)
売上や営業利益において、いかにコンビニ事業が同社を支えているかがお分かりかと思います。
5.まとめ
イトーヨーカドーが低迷し、セブンイレブンが成長を続ける理由は、競争優位性の有無にあるのではないでしょうか。
経営資源は有限ですので、どこに経営資源を集中させれば良いかを判断しないといけません。戦略に決め手がないと、無駄に経営資源が分散してしまい、経営体力が失われる恐れがあります。
イトーヨーカドーのことを色々と酷評しましたが、ネットスーパーでは、通常送料が300円のところを、母子手帳をお持ちの方は、送料が4年間100円になるという良いサービスもあります。私も利用しました。母子手帳をお持ちの方は、是非検討してみてください!