Taiki's Blog

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RIZAPが赤字転落し、ワークマンが大幅に増収増益できた理由

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出典:https://www.workman.co.jp/workman-plus

こんにちは、Taikiです。

RIZAPワークマン、業界が異なるこの2社は事業拡大のため、それぞれある戦略を取りましたが、業績の明暗は分かれました。

今回はこの2社の経営戦略の違いにフォーカスし、なぜRIZAPの業績が悪化し、ワークマンの業績が大幅に良かったのか、その違いを考察していきましょう。

あくまで個人の見解ですので、ご承知おきの上、お読みください。

目次はこちらです。

1.RIZAPが赤字転落した理由

RIZAPが赤字転落した背景には、急ピッチの経営不振企業の買収にあります。確かに業績が振るわない企業を次々と買収しましたが、当初RIZAPからすると、勝算あっての戦術だったはずです。何がいけなかったのでしょうか。

こちらの表は、「アマゾフのマトリックスと呼ばれる成長戦略のフレームワークです。

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出典:アンゾフの成長マトリックスとは何か? 「経営戦略の父」が考案した成長戦略の基本 事例や図解でフレームワーク解説|ビジネス+IT

既存ビジネスは「市場浸透」の状態ですが、事業拡大の基本戦略は、アンゾフマトリックスから見ると、2つの方法があります。

  • 市場開拓:既存の製品 X 新規の市場
  • 製品開発:既存の市場 X 新規の製品

市場開拓は製品やサービスは変えずに市場を変える戦術です。一方、製品開発は市場を変えずに製品やサービスを変えることです。

今回のRIZAPはどちらのケースでしょうか。RIZAPの戦術はこのどちらでもなく、多角化という、高い難易度の戦術を選びました。

  • 多角化:新規の市場 X 新規の製品

RIZAP「ライザップ」として減量ジムやゴルフレッスンを本業としていましたが、買収した企業は、書籍販売店や化粧販売、住宅会社など畑違いの分野です。つまり、ノウハウが圧倒的に足りない、ハイリスクな多角化戦術で勝負をかけたのです。

加えて、一気に複数の企業を買収したことも大きな痛手になったのではないでしょうか。

2.ワークマンの戦略 

次にワークマンの戦略を見ていきましょう。

上のアンゾフのマトリックスからすると、ワークマンが取った戦略はどれにあたるでしょうか。

ワークマンは作業服チェーン大手で、作業服で培った機能性を生かしたカジュアル衣料を軸に「ワークマンプラス」の店舗を展開しています。18年9月には、その1号店をららぽーと立川立飛にオープンしました。

既存のプライベートブランドで、アウトドアやスポーツ用品などをターゲットにした戦術は、「市場開拓」にあたるのではないでしょうか。

  • 市場開拓:既存の製品 X 新規の市場

また18年3月期の報告書でもあるように、店舗展開において、ドミナント戦略の推進とスクラップ&ビルドで既存店の活性化を図っています。

これは過去の記事で書いたように、セブンイレブンと同じ戦略になります。

vtaiki.hatenablog.com

3.ワークマンプラスの強み

ワークマンの強みは、「低価格」「高機能」にあります。低価格は、作業服専門店のワークマンとして、培ってきたノウハウが成せる技です。高機能についても、広く周知されています。

それではワークマンプラスの強みはなんでしょうか。それは、ミズノやアシックスなど本格的なスポーツマン向けではなく、これから運動を始めたいライトユーザー向けに「低価格」「高機能」のアウトドアやスポーツ用品を提供しているところです。

その結果、アウトドアやスポーツ用品のレッドオーシャン市場の中にブルーオーシャンを見出し、ニッチ戦略として適切に経営資源を投入することができました。これが成功の鍵だと思います。

4.業績予想について

今季のRIZAPの赤字転落は、残念ながら避けることができないでしょう。

四季報情報に基づいて、18年度の同社の業績予想を見ていきます。

  • 売上高:230,900百万円
  • 営業利益:-3,300百万円
  • 経常利益:-4,900百万円
  • 当期利益:-7,000百万円

売上高は前年比約70%増ですが、利益は赤です。この増収減益は、M&A(合併・買収)で売上が伸びた一方、組織改編を含む経営改革への先行投資などが影響したものです。

一方、ワークマンの業績予想はいかがでしょうか。

  • 売上高:63,950百万円
  • 営業利益:13,060百万円
  • 経常利益:14,290百万円
  • 当期利益:9,510百万円

今季の増収増益は間違いありません。また自社の強みを生かした手堅い経営戦略もそうですが、高い営業利益率自己資本比率は、安定した経営基盤や財政基盤を表しています。投資家の目にも魅力的な投資先として映っているでしょう。

5.まとめ

まとめると、こちらの3点に要約できるのではないでしょうか。

  • 自社の強みである分野で新規事業を興す
  • 多角化戦略で分かるよう、二兎を追う企業は損を被るリスクが高い
  • 強者のいない市場を狙う

個人的には、これまでダイエットやゴルフレッスンなど市場を活性化し、消費者を元気にしてきたRIZAPには、まだまだ頑張っていただきたいと思います。今後の活躍に期待します。