メルカリがヤフオクを、アマゾンが楽天を負かした戦略
出典:両社公式ロゴ
こんにちは、Taikiです。
eコマースの世界では、後発組が先行者を食らう、なんて事例がよくあります。最たる例は、メルカリやアマゾンではないでしょうか。
では後発のメルカリが、大手のヤフオクにどう対抗したのでしょうか。またAmazonはどうやって楽天を負かしたのでしょうか。両社のポジション戦略には、ある共通点があります。今回はこの点に迫ります。
メルカリとヤフオクの違い
メルカリとヤフオクの違いは、男女比をみると明らかです。メルカリは、女性を中心とした若手層が、ヤフオクは男性を中心とした中年層が多くの割合を占めています。
出典:稼グッド
なぜ男女比や年齢層がこうも違うのでしょう。その理由は、月額利用料と手数料を見ると分かります。諸々計算すると、出品の販売額が約3万円未満ならメルカリの費用が安いのですが、約3万円を超えるとヤフオクが安くなります。
月3万円以上となると、出品の単価が高めのセドリが主流になります。セドリを目的する層は、その道に詳しい中高年の男性が多めです。
逆に単価の安い商品ならメルカリがお得なため、女性や若年層が多く利用します。
色々なジャンルの出品が雑然と並んでいる光景は、「蚤の市」のそれとも重ねり、女性の好奇心や購買意欲も高める効果があります。
若い女性層から支持を受けるメルカリは、一気に知名度が上がり、ダウンロード数ではヤフオクを追い抜きました。
アマゾンと楽天の違い
次にアマゾンと楽天ですが、両者の違いは販売形態です。アマゾンは自社で商品を仕入れ販売する直販型、楽天は売り場を提供するモール型を主体にしています。アマゾンは売買差益で、楽天は出店料や販売手数料で稼いでいます。
この販売形態の違いが勝敗の決め手となりました。
当初、楽天はネット上で売り場を提供するだけでした。在庫や倉庫を持たないため、物流コストを抱えずにすみ利益も出やすいです。
一方、Amazonは直販のため、仕入れた商品を保管し、梱包して発送します。当然アマゾンの方が倉庫代や物流コストも嵩みます。
しかし、次第にアマゾンが優勢になります。
物流システムを一極化したため、大量仕入が可能となり、ボリュームディスカウントを生むことができました。また、異なる商品も同じ倉庫にあるため、靴や洋服、携帯グッズなど違った商品を合わせて発送したりと配送スピードも向上しました。
一方、楽天は、店舗毎で管理するため、仕入や在庫、発送もバラバラです。当然コストやスピードで差を付けられます。序盤はコスト重視の楽天でした。
しかし、後半戦は物流を制したアマゾンにまかれる結果となりました。
現在は、楽天も物流網の形成を急いでいますが、もはやアマゾンに追いつくことはできないでしょう。
メルカリとアマゾンの共通した戦略
メルカリとアマゾンの置かれた状況はよく似ていました。いずれも後発組だった事、そして強力な先行者がいたという事。しかし両者には共通したポジション戦略がありました。
それは、「先行者の欠点を補う」「敢えて対立構造をつくる」の2点です。
先発者の欠点を補う、それをニッチ戦略ともいいます。楽天の弱点を補完したのが、アマゾンの物流戦略でした。
またヤフオクがセドリ層をターゲットにしていた事に対し、メルカリはシェアリングエコノミー層をターゲットにする、そうやって、対立構造を作ることで、違いが際立ち、その分知名度も高くなります。
まとめ
ライバルの知名度が高いほど、対立構造をつくると、その違いはより明らかになります。相手の力を利用して攻撃力を強める。それは、格闘技でいうところのカウンター技にも似ていますね。