宇宙開発と次世代自動車が注目される理由とその共通点

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こんにちは、Taikiです。

孫正義ビルゲイツ、アマゾンやグーグルなど各界から、「宇宙開発」や「次世代自動車」への資本投入が盛んに行われています。この2つの業界が注目される理由と両者に共通して言える事は何でしょうか。今回は、この点に迫ります。

宇宙開発でやりたいこと

まずは宇宙開発でやりたいことをまとめてみます。

地球外の惑星移住

注目を集めるのは、テスラ創業者のイーロン・マスク氏が設立したスペースXとアマゾン創業者のジェフ・ベゾスが立ち上げたブルーオリジンです。両社ともに地球外の惑星移住を最終目標に掲げています。

人工衛星と宇宙データ

堀江貴文氏が出資する、インターステラテクノジズは、衛星打ち上げ用のロケットを開発していますが、その背景にあるのは、小型人工衛星の需要が高まっている事です。

人工衛星は宇宙データ(衛星データ)の収集や活用を目的としてますが、これまでは、国家主導で行われ、その宇宙データも高額でした。

しかし、小型人工衛星の技術が民間に公開され、民間企業から小型人工衛星の打ち上げが相次ぎ、2027年までには世界で累計7000機の衛星が飛び交う事が予測されます。今後は、そのデータがオープン化されるため、データだけでなくデータ分析サービスへの需要も高まりそうです。

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出所:東洋経済

ユニークな宇宙ビジネス

惑星移住や衛星打ち上げだけでなく、宇宙旅行や宇宙エンタメ、宇宙ゴミ回収などユニークなビジネスも出てきています。ANAホールディングスやHISから出資を受ける、PDエアロスペースは、2023年に有人宇宙飛行を目指していますが、その先にあるのは宇宙旅行です。

他にも「人工流れ星」の開発を進めるALEや宇宙ゴミ掃除の事業化を目指すベンチャー企業もでてきています。

次世代自動車に期待されること

話は変わりますが、次世代自動車に期待されること、それは「CASE」と呼ばれるものです。順に解説します。

コネクティッド(C)

コネクティッドは、自動車をインターネットに接続し、車の情報を収集・分析するものです。具体例は、車にセンサーを搭載し、インターネット経由で車を点検する事で、安全性を高めます

また、走行距離や走行ルートを分析する事で、車の買い替えや車種の選定、台数の調整ができ、業務改善やコスト削減につなげることもできます。カーコネクトサービスは、ドコモを初めとする企業が提供しています。5Gの普及も追い風になるはずです。

自動運転(A)

自動運転の定義はレベル分けされており、レベル2までが「人を主体」、レベル3以降は「車が主体」となります。国内では、2020年に、自動運転レベル3を念頭に、法律が施行される予定です。

出典:日本経済新聞

グーグル系のウェイモは自動運転車の製造に乗り出すことを表明し、日産自動車と提携し、無人ライドシェアサービス展開を狙っています。

シェアリング(S)

シェアリングには、ライドシェアとカーシェアリングの2種類があります。

ライドシェア

一般的には「相乗り」や「配車サービス」を指します。ライドシェア大手のウーバー・テクノロジーが有名ですね。

カーシェアリング

自動車を会員間で共有(シェア)して利用するサービスです。レンタカー業者が車を貸し出すBtoCが主流ですが、最近は、個人間で車を貸し借りする、CtoCを提供するプラットフォームが現われました。

電動化(E)

電気自動車(EV)ですが、世界中にガソリン車の規制が強まる中、各メーカーは対応を急いでいます。トヨタ、日産・ルノー・三菱の連合、ホンダ、GM、FW、ダイムラーBMWは、既にEVの拡販を進めています。

宇宙開発と次世代自動車の共通点

それでは宇宙開発と次世代自動車の共通点を見てみましょう。

業界の力学が「官民」であること

どちらの業界も公的機関が主導し民間が推進しています。宇宙開発でいうと、JAXAが宇宙開発政策を打ち出し、民間の宇宙開発を支援しています。

次世代自動車だと、環境省が電気自動車を普及促進したり、国交省が自動運転レベルの引き上げをを行う法改正を進めています。

どちらも国家プロジェクトのため、民間は補助金や法整備の追い風を受け、気兼ねなく資本や技術を投入できます。

業界規模が大きい

宇宙ロケットも自動車も多くの部品で構成されているため、関連会社も多岐にわたり業界規模も大きくなります。またハードウェア部品だけでなく、IoTや5G、ビックデータやAIとも深く関係しているため、その波及効果も大きく、今後の産業を支える収入源となり得ます。

熾烈な競争とオープンイノベーション

競争相手は、同業他社だけでなく、新規参入・代替サービスの企業もいます。例えば、次世代自動車では、中国(バイドゥ)やGoogleなどIT企業が新規参入し、ウーバー・テクノロジーが自動車販売に代わるライドシェアサービスを展開しています。宇宙開発にもトヨタ自動車やアマゾンが参入し、熾烈な競争が進んでいます。

一方で、企業や国を越えて、出資や協業、共同開発などが行われ、どの業界よりもオープンイノベーションが活発化しています。

まとめ

惑星移住や自動運転、今まで映画やアニメで描かれたテーマが現実のものになろうとしています。ますます競争の激化や協業化が予想されますが、どちらの業界においても収益モデルの確立が今後の課題となりでしょう。