ミスタードーナツが中国撤退し、ユニクロがなお中国で成功している理由
こんにちは、Taikiです。
先日ミスタードーナツ(以下ミスド)が中国から撤退するニュースが流れました。
一方でユニクロは中国でも順調に売上を伸ばしています。
今回は中国の内部環境の変化とユニクロの販売戦略にクローズアップしたいと思います。
あくまで個人の見解ですので、ご承知おきの上、お読みください。
目次はこちらです。
ミスドが撤退した理由
ミスドの撤退理由として、人件費高騰と競合他社との過当競争があげられます。
なぜ人件費が高騰したのでしょうか?
1970年代から中国では一人っ子政策が取られました。その結果、中国も少子高齢化の時代に突入し、高学歴化が顕著になりました。一人当たりの教育費が向上し、中国人の労働単価は高くなりました。これが人件費高騰の背景にあります。
また飲食業は比較的参入障壁が低いため、競合他社の新規参入により過当競争に陥りました。
収益を上げるためには、売上を上げるか、人件費を下げるかになりますが、ミスドは過当競争で売上が思うように上がらず、人件費高騰も止まらなかったため、撤退を余儀なくされたと推察されます。
ユニクロが成功を続ける理由
ユニクロの垂直統合型SCM
ユニクロは企画・計画・生産・物流・販売までのプロセスを一貫して行うビジネス モデルで、他社には真似のできない独自商品を次々と開発しています。
このようなビジネスモデルを垂直統合といいますが、このメリットはサプライチェーン全体でみたときに中間コストが大幅に削減できる点です。そのため利益確保や製品の安定供給が可能になります。デメリットは、すべての設備や人材を自社でまかなおうとするため、どうしても初期投資や固定費が大きくなってしまうことですが、それはファーストリテイリングの資本力がなせる技です。
生産拠点のシフト
ユニクロは、コスト抑制のために生産拠点を東南アジアにシフトしています。東南アジアは、中国の半分以下に人件費を抑えることができるため、中国一国に依存しない生産体制を整え、価格競争力を維持することができます。
ローカライゼーション戦略
中国では、日本以上にオンラインショッピングの利用率が高いです。
なぜでしょうか。
まず実店舗を最小限に留め販売できるという利点があります。次によく分からないお店で偽物や粗悪品を買わされないですみます。次によく分からないお店で買うよりアフターケアが充実しています。つまり中国では、実店舗があまり信用できない傾向にあります。また少子高齢化時代に突入し、高齢者にとってもオンラインショッピングは助かります。
こういった背景から、中国の大手企業はオンラインショッピングのサービスを提供しています。
ユニクロもデジタルマーケティングに早くから着手し、オンラインショッピングも充実しています。現地CEOは中国人を採用しています。中国の環境に順応し、現地企業のように経営するローカライゼーション戦略も成功理由の1つです。
業績について
四季報から簡単に直近の業績を紹介します。ミスドは国内でも苦戦していましたが、店舗整理で業績が好転しています。
ファーストリテイリングは、2018年8月期決算時点で連続最高益です。海外の売上高比率 47%、国内外ともに高い収益性を維持しています。
まとめ
人件費高騰により中国はもはや世界の工場としては機能していません。しかし中国は未だ消費大国です。パイオニアの買収で見るように、今後も中国企業の資本や人材は日本国内に入ってくるでしょう。
そして、中国の高学歴化は、その流れを一層後押しすることになるでしょう。