多数の意見をまとめるコツと方針の定め方

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こんにちは、Taikiです。

何かを決める時に多数の意見が出た場合、皆が納得する方針を定めるためには、どうしたら良いでしょうか。今回はこの点に迫ります。

目次はこちらになります。

特定のアイデアを掘り下げない

まずブレストではアイデア出しに専念しましょう。

ブレストでありがちなパターンは特定のアイデアを掘り下げることです。ブレストの目的は、漏れなく全てのアイデアを出すことです。その最中に特定のアイデアを掘り下げると全体を網羅する前に時間切れとなり、別の良いアイデアが埋没してしまいます。

共通項でグルーピングする

イデアが出たら共通項でグルーピングしますが、皆さんが良く知っているフレームワーク思考を使うのも一つの手です。

ここでは、業務改善を例にグルーピングしたいと思います。例えば、業務改善のブレストでこのような意見が出たら、どうグルーピングしますか。

  • ソフトウェアを購入する
  • 業務プロセスを見直す
  • ジョブローテーションする
  • ドキュメントを簡素化する
  • クラウド化・仮想化する
  • 一部作業をアウトソースする
  • 外部の専門家に相談する
  • 人員を追加する
  • システムを改修する

業務改善といえば、前回記事にしたITILフレームワークが使えそうです。

vtaiki.hatenablog.com

ITILには、サービスマネジメントを考える上で4つの重大な要素があります。

  • Product(商品)
  • Process(プロセス)
  • Person(人)
  • Partner(パートナー)

この要素でグループ分けすると、下表のようになります。要は、何を使って業務改善をするかを考えることです。

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上位層を意識する

更に、各グループの上位層が何かを考えてみます。上位層を意識する理由は、全体像を掴み、優先順位をつけやすくするためです。ここでは、二項対立の視点から、内部要因と外部要因で分けてみました。

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優先順位を決める

最後に優先順位ですが、どういう視点で優先付けをしたら良いでしょうか。

業務の流れを考える

業務の流れで考えると、上流は内部要因、下流は外部要因です。原則として、上流がボトルネックになりやすいため、上流からの着手が定石となります。

仮に下流の外部要因から着手すると、リソースが無駄になる事が多々あります。RPAツールを導入後に業務簡素化したら実はツールが不要だったり、方針が決まっていないのに外部の専門家に依頼すると出費が嵩んだりもします。

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制約条件を満たしているか

いかに有効な対策であっても実現性がなければ時間の無駄です。コストが高すぎないか、日数がかかりすぎないか、システム要件はどうか等の制約条件を満たしているかをまず確認します。

ここでは予算を考えて「人員を追加する」というアイデアは没にしました。

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インパクトの大きさ

制約条件の後は、インパクトの大きさで考えます。生産性向上のコンサルティング手法では、インパクトはこのように考えるそうです。

インパクト=改善余地の大きさ x 改善余地を埋めるポテンシャル

改善余地の大きさは、システムの古さや組織の体質、社員の成熟度などが深く関係しそうです。レガシーなシステムや保守的な組織体質、社員のキャリアが長いという前提条件であれば、改善できる余地やポテンシャルも少ないのではないでしょうか。

ここでも同じ前提として、「業務プロセスを見直す」と「ドキュメントを簡素化する」というアイデアは排除します。

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リスク対策

実行後のリスクを最小限に抑える事がリスク対策の目的です。残されたアイデアはジョブローテーションですが、これを実行に移すと、どんなリスクがあるでしょうか。リスク対策のポイントはこちらです。

  1. 対象範囲の設定
  2. 危険エリア
  3. 具体的問題の列挙
  4. リスクの原因と予防対策

まずジョブローテ後、新たに別の社員がある企業の担当になるとします。そこで対象範囲は、その担当企業に関わる業務に設定しましょう。

次に、危険エリアですが、ここはQCDで考えてみます。例えば、ジョブローテ後の担当者の能力が低ければサービスの品質に関わります。また変更した担当者の人件費が高ければ顧客の売上に対して費用が高くつきます。急ぎのプロジェクトが進行中なら納期にも関わります。このようにQCDを軸に、危険エリアを設定します。

後は、危険エリアで想定される問題を列挙し、原因と予防対策を重点分析します。

まとめ

多数の意見をまとめるコツは、何よりも関係者に納得してもらう事です。例え良いアイデアでも納得を得られなければ提案は通りません。

納得してもらうためには、関係者にまず参画意識を持たせる事です。ブレストもその一環です。その後、グルーピングや上位概念で全体像を掴んでもらい、その中で特定のアイデアを採用する根拠として、優先順位とリスク対策が含まれていれば及第点です。仮に期待通りの成果が出なくても皆が合意した結論であれば、後で揉める事は殆どありません。

一番良くない事は、提案も相談もなく見切り発射で進める事です。失敗すれば信用が失墜し関係も悪化します。