【難易度別】ITインフラ入門資格のランキング一覧とその市場価値について
こんにちは、Taikiです。
LINEが新成人に行った調査の結果、最もなりたい職業は「公務員」、男性の次点は「エンジニア、プログラマー」だそうです。この回答結果から、将来に対する不安が見て取れます。
これからの日本の社会が「明るい」と思う新成人は少数派──LINEがLINEユーザーの新成人を対象にした調査で、こんな結果が出ました。今後の日本社会について「明るいと思う」「やや明るいと思う」と回答した新成人は、合計13%に過ぎなかったとのことです。なりたい職業は男女とも「公務員」がトップ。男性は「ITエンジニア/プログラマー」「ものづくりエンジニア」が続き、女性は「看護師」「主婦」という結果でした。
出典:excite
そこで、今回は、専門領域であるインフラ系のIT資格を難易度別に比較し、シナリオに応じて優先的に取得すべき資格を考察したいと思います。
目次です。
前提
難易度は、試験時間や合格ライン、出題パターン、経験則から独自に設定しました。あくまで個人の見解です。また取り上げている資格は入門レベルなのでご留意下さい。
資格一覧
今回は、マイナビが出してる「サーバーエンジニアのスキル証明に役立つ6つの資格」から一部抜粋し、難易度別にランキング付けしてみました。
ランキングの一覧はこちらになります。
概要説明
基本情報技術者試験(IPA認定)★★★★★
最も認知度が高い国家資格の1つです。幅広いITスキルとITリテラシーの高さを証明することができます。
CCNA (Cisco認定) ★★★★
世界的に見て認知度が最も高いネットワーク系のベンダー資格の1つです。Cisco製品や基本的なネットワークスキルを証明できます。
Lpic Level1 (LPI認定) ★★★
Linuxのニュートラルベンダー資格です。ディストリビューションに縛られず、Linux全般のシステム構築・運用・管理についての知識・スキルを証明できます。
Linucという資格もありますが、日本に最適化されたもので、国内でシェアの高いUbuntuやDebianを対象としたテスト内容になります。
ITIL Foundation(itSMF Japan認定)★★
ITサービスマネジメントの成功事例を体系化したベンダー資格です。ITサービスマネジメントについての知識を証明する世界共通の入門認定資格となります。
MTA(Microsoft認定)★
アメリカをはじめとした世界150カ国以上で試験が行われる世界共通のベンダー資格の1つです。Windowsサーバーに関わる基本的な知識・技術力を証明できます。
市場価値と資格を取る順序
基本技術者試験を優先して取得すべきケース
もしITエンジニアとして、業種や職種、キャリアパスが定かでない場合は、 基本情報技術者試験の受験をお勧めします。開発系、運用計、ネットワーク系、どの分野に進むにしても、基本技術者試験の知識が活きてくるからです。
つまり、基本技術者試験は全ての技術や知識の土台になります。
またIT業界は、元請けから下請けに仕事が流れていきます。元請けから多くの仕事を受注したい下請けSIは、資格保有者を多く抱え、受注競争に勝ちたいと考えています。中でも評価されやすい資格は、国家資格として認知度が高い基本技術者試験になります。
また、そこそこ難易度が高いため、不合格を嫌がる人は受験をしたがらない傾向にあると聞きます。その中で、基本技術者試験を保有していれば、勤勉かつ高いリテラシーを持った人材として一定の評価を得ることができます。
一部の日系企業、特に金融や保険、セキュリティなど同試験が必須の求人もあります。(保有していない場合は、期限内に取得を求められるところもあります。)
LPICを優先して取得すべきケース
例えば、Web業界に進もうとする人は多分Linuxに関わります。その理由は、世界中で一番多く使われているWebサーバーは「Linux」だからです。これからWeb業界に入ろうとしている人は、LPICを持っていればそこそこ有利だと思います。
試験内容が実務に即した内容のため、すぐに業務に活きてくるからです。
ちなみに、LinuxがWebサーバーによく使われる理由をご存知でしょうか。「信頼性が高い」、「OSの中身が公開されている」、「無償で入手可能」の3つが挙げられます。
Webサーバーのようにコンテンツを外部に公開する場合、信頼性が高くカスタマイズ性に優れ、コストを抑えることが重要になります。WindowsだとサーバOSやSQLにライセンス料が発生する上、更新プログラムで不具合を起こす印象も否めません。
CCNAを優先して取得すべきケース
CCNAを特にお勧めする理由ですが、
ネットワーク機器市場において、Ciscoのシェアが半数近くを占めている事です。
大手エンタープライズ向けならそのシェアは更に大きくなるでしょう。大手のインフラ系に進みたいならCCNAを取得すると良いと思います。
出典:IDC(国内ネットワーク機器市場 ベンダー別 支出額シェア実績、2018年)
第2の理由は、外資系で働く時に有利かなと思います。関係記事を抜粋します。
外資においてあまり重視されない、つまり“残念な”IT資格の代表格は、ITパスポートや基本・応用情報技術者などです。これら資格に共通しているのは、
(1)日本(が決めた)基準(2)汎用的(広く・浅く)
ということ。まず「(1)日本(が決めた)基準」ですが、残念ながら日本基準というのは、グローバル的には全く相手にされません。
出典:Daijob.com
最後の理由ですが、ネットワークは全てのシステムやアーキテクチャの根幹にあるものです。オンプレやクラウド、モビリティ、5G、カーコネクト、全てはネットワークに繋がるため、ネットワーク系資格の国際標準であるCCNAを取得する価値は十分にあります。
ITILを取得するケース
ITILでは体系的なサービスマネジメントを学ぶため、基本技術者試験で基本を押さえ、民間資格で専門性を高めた後に、マネジメントの観点から全体を俯瞰する目的で取得すると良いかなと思います。昨年ITIL4 ファンデーションが新たにリリースされましたので、その学習教材も少しずつ増えてくるでしょう。
MTAを取得するケース
個人的には社内で必要になって取得すれば良いと思います。ただし、合格すれば、Microsoftから最新のナレッジが定期的に配信されるみたいです。
まとめ
どの方面に行くにしても、基礎固めとして情報技術者試験を取得した方が良いと思います。取得して損する事は決してありません。
Webや外資など進路が決まっており、専門性の高い知識や技術が必要な場合は、CCNAやLPICを検討すると良いでしょう。
しかし、資格は必ずしも実力を証明するものではありません。
キャリアパスと資格が噛み合った時に、経歴書や自己PRで絶大な説得力を生みます。
また、ITエンジニアの場合、1つのスキルで解決できる事は殆どありません。サーバーやネットワーク、データベースやセキュリティなどのハードスキル、営業や資料作成などのソフトスキル、そういった複数のスキルを上手に使い分け、問題を解決していきます。
そのため、全体像を掴み、問題のボトルネックを常に意識する事が重要になります。
その全体把握に一躍を買ってくれる本をご紹介します。広く浅くインフラの全体構成を紹介している本です。とても読みやすいと思います。
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最後までお読み頂きありがとうございました!